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3.トスの基礎
トスは、最終的に攻撃するアタッカーに向けて行うパスの動作です。
トスの精度がアタッカーのアタック決定率を左右することにもなりますので、基本をしっかりとおさえて安定感のあるトスを上げられるようにします。
このページでは、トスの精度を上げるためのポイントを解説します。
目次
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トスの基本動作
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練習を行うときのポイント
トスの基本動作
トスの基本的な動作とポイントを説明します。
動作としては大きく分けて7つあります。
① 羽根の落下地点に移動する
② トスを行う方向を向く
③ トスの形を作る
④ 膝を使ってトスする
⑤ フォロースルー
⑥ トスのジャッジ
⑦ ブロックカバーに入る
この7つの動作について、それぞれ解説します。
① 羽根の落下地点に移動する
パスの基礎でも説明を行いましたが、トス動作(パス動作)において最も重要なのは、
いつも同じ場所で羽根をとらえるということです。
トスにおいては、このことがサーブカットよりも重要度が増します。
セッターがトス動作を行う際は、
基本的にはセッターがレフト側に向いているとして
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前に長いトス(レフトへのトス)
-
前に短いトス(センターへのトス)
-
後ろへのトス(ライトへのトス)
の3つのトスを分けることになります
※速いトスなどは割愛します
きちんと落下地点に移動をしなかった場合、トスの方向が制限されてしまいます。

図の右側の(×の)状態は、バックトスが苦手な人に多く見られます。
バックトスが思ったようにいかない場合、前ではなく上できちんと羽根をとらえているか注意してみましょう。
さらに、相手チームが強豪になればなるほど、セッターの動きは見られています。
羽根をとらえる位置によって、トスが上がる方向を事前に相手ブロッカーに読まれてしまうことにもなります。
なので、まずはサーブカットが上がった瞬間、羽根の落下位置への移動をすばやく行うようにします。
② トスを上げる方向を向く
意図せずトスがネットから離れたり、相手のコートへ入ってしまうなどのミス。
原因の大きな1つとして、「トスの方向を向いていない」と言う事が挙げられます。
どういうことか例を挙げます。
サーブカットの後、トスを上げる際にネットを背にしていた場合。
レフト側へトスを上げたいとすると、フォームとしては肘が開いてしまいます。

パスの基礎でもお話をしましたが、これだとトスが安定しません。
安定させるためには、きちんとトスを行う方向に身体(胸 or 背中)を向ける必要があります。
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ライトへトスを行う場合、いわゆるバックトスを行うことになりますので、この場合はきちんと背中を向けるようにしましょう
<!セッターの向きについて>
セッターがトスを上げる時、レフト側を向く事が多いと思います。
この理由は、以下のようなものがあります。
-
右利きのプレーヤーが多く、サーブカットがネット際に入った場合など処理しやすい(逆にサウスポーでは上げ難い)
-
オープン攻撃(レフト)が主流のため、フォア(前方向)の方がトスを上げやすい
そのため、セッターの多くはレフト側を向きます。
練習を行うときも、セッターはレフト側を向きますし、
試合でも大半がレフト側を向きます。
ここで気をつけたいのが、
-
サーブがライト側のプレーヤーに来た時、セッターもライト側を向いてしまっていませんか?
ということ。

これ、基本的にはダメだと思ってください。理由は大きく2つ。
-
そもそも、ライト側を向いてトスする練習していますか?
-
バックトスで長い距離を飛ばす練習していますか?
まず1ですが、ライト側を向いてトスする場合、ネットとの距離感がいつもと違うのでトスが離れやすくなってしまいます。
この感覚を埋めるための練習を、普段から行ってますか?
そして2。いつも通りのサーブカットが入った場合、レフトまでの距離は長いです。
バックトスを遠くまで飛ばす練習を、普段からやっていますか?
ライト側を向いてしまうと、多くの場合、
精度の低いトスを、ライト側にしか上げることができない
という状態になります。
無理やりレフトにバックトスをする場合も、精度が低く、短いトスになりがちです。
相手プレーヤーからすれば、これほど守りやすい状況はないです。
ガンガン狙われてしまうので注意しましょう。
インディアカの基本としては、セッターは「いつも通りの向き」を崩さないように注意することが大切です。
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普段から逆向きのトスを練習に取り入れいている方(チーム)
素晴しいです!精度の高いレフトへのバックトスを上げることが出来れば、
相手の守りも1テンポ遅れる可能性もありますので。
③ トスの形を作る
羽根の落下地点に入り身体をきちんとトス方向に向けたら、トス動作の形を作ります。
トス動作は、基本的にはオーバーハンドで行います。
オーバーハンドの基本形については、パスの基礎で説明を行っていますのでそちらを参照してください。
オーバーハンドの形を作ったら、常に同じ位置で羽根をとらえるようにします。
たまに試合などで、サーブカットが短い(セッター位置まで飛んでこない)時、簡単にアンダーハンドを使ってしまうセッターを見かけますが、これ、
① 羽根の落下地点に移動する
をサボらずやれば、半分以上はきちんとオーバーハンドで上げられるものです。
オーバーハンドでのトスの方が精度は高いので、しっかりとオーバーハンドで出来るように「足を使って」行きましょう。
やむを得ずアンダーハンドになってしまう場合、基本動作はパスの基礎で説明を行っていますのでそちらを参考にどうぞ。
④ 膝を使ってトスする
パスの基礎でも説明を行いましたが、
-
手は、トスを安定させるために動きは少なく
-
トスをきちんと飛ばすために膝を使う
イメージを持って、身体全体でトス動作を行います。
サーブカットが低かった場合などは安易にアンダーハンドを使わず、
オーバーハンドでトス動作が出来るように、
膝をより深く沈みこませて、一定の場所で羽根をとらえる
と言う事を意識します。
⑤ フォロースルー
トスの動作においても、フォロースルーは重要です。
フォロースルーを行うことで、ブレを防止し、パスの制度をあげることができますので意識するようにします。
※フォロースルーについては、サーブの基礎で説明をしています
トスの上げ分け方
レフト・センター・ライトへのトスの上げ分け方について少し書きます。
トス(パス動作)の基本としては、手はあまり動かさず、膝を使って身体全体でトス動作を行うと書きましたが、上げ分ける際のポイントとしては2つあります
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羽根をとらえる時の手の角度
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フォロースルー
この2つの動作で、トスを上げ分けることが出来ます。
全体の流れとしては、
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羽根の落下地点に入る
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トス方向を向く(胸or背中)
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トスの形を作る
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膝を沈み込ませる
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膝から身体全体で伸びる
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手の角度を決めて羽根をとらえる
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トス方向にフォロースルー
となります。手の角度を決めるタイミングまでは力を抜いて楽にしています。
これを普段の練習から意識して行うことができれば、トスを上げる直前まで自由にトスの方向を選ぶことが出来るようになります。
うまく羽根を飛ばすことが出来ない場合は、
-
羽根の落下地点にきちんと入れているか
-
膝をきちんと使えているか
を、再度確認し、意識して動作するようにします。
⑥ トスのジャッジ
基本動作の①~⑤までで、「羽根を飛ばすこと」については終わりです。
ただし、このページは「トスの基礎」ですので、セッターにおける基本動作としてはまだ終わりではありません。
6番目の動作として「トスのジャッジ」を説明します。
ジャッジと聞いてまず思い浮かぶのは、相手のサーブやアタックに対して
「入っている」「アウト」などの判断だと思います。
意味合い的には似たようなものですが、トスにおけるジャッジは、
-
ネットのこちら側(アタックを打てる)
-
ネットを超えた側(オーバーネットになる)
を判断し、アタッカーに速やかに伝える事を指します。
トスがネットに近くなってしまった時など、アタッカー側ではネットを超えてしまったかどうかの判断は難しい場合が多いため、
横からトスの軌道が確認できるセッターが打てるかどうかの判断をします。
これの何が大事かというと、ネット付近の判断が難しいトスはアタッカーとしては
実際はネットを越えていなくても
-
打つかどうか迷ってしまい中途半端なプレーになる
ネットを越えていた場合
-
一か八かで打ってしまいオーバーネットをとられる
-
相手ブロッカーと接触して怪我をするおそれがある
など、リスクが発生してしまうためです。
そのリスクを未然に防ぐため、トスを上げた際はジャッジを行いアタッカーに伝えることが大切です。
※明らかに大丈夫なトスでも伝える習慣をつけましょう。
ちなみにわたくしガチャは、セッターでトスを上げた際は、
ネットを越えていないとき
「打てる!」もしくは「OK」
ネットを越えてしまったとき
「NO!」
と叫ぶようにしています。
叫び方はチーム内で決めれば何でも良いので、とにかく伝えましょう。
「OK!」と伝えられたアタッカーは、ネットに近くても自信を持ってアタック動作を行うことができます。
「NO!」と伝えられたアタッカーは、相手コートに羽根が行ったと認識するので、
アタック動作を中止し、ブロックに切り替えるなど、スムーズに対処出来るようになります。
⑦ ブロックカバーに入る
トスの基礎における最後の動作です。
セッターにおけるトスの基本動作は、ブロックカバーまでが1セットだと思ってください。
ブロックカバーをしっかりと行うと、
-
相手ブロックによるー1点をなくすことが出来る
-
カバーをつないで攻撃が成功すると+1点となる
2点分の働きになります。重要ですね。
では、実際にブロックカバーに入る場合、どういったポジションをとればいいか説明します。
<通常トス・近いトス>
普通にいいトスが上がった場合や、ネットに近いトスになった場合です。
この場合、アタッカーとブロッカーの距離が近く、ブロックの跳ね返りが強いです。
なので、ネット付近にべったりではなく、ある程度距離をとって柔らかく構えます。

図の斜線部分がそれぞれのカバー範囲(必ずとる場所!)です。
見てもらってわかるとおり、アタッカーの正面は、アタッカー本人がとります。
その他、レシーバーは後ろの部分をカバーするイメージですね。
<離れたトス>
トスが離れてしまった場合、アタッカーとブロッカーの距離はやや遠いです。
ブロックの跳ね返りも通常よりは緩くなるので、ネット付近で待ち構えます。

トスが離れた場合は、基本的にアタッカーはカバーにいけないと思ったほうが良いと思います。
ネット付近全般をカバーするイメージを持ちましょう。
<すごく離れたとき>
ラリーが続いたときや後方からのトス(2段トスなど)の場合は、
カバーの入り方が特殊です。
先ほどの離れたトスよりもさらにブロックによる跳ね返りが緩い、
もしくはネットにかかる可能性が最も高いため、ネットべったりのピンポイントでカバーする必要があります。
入り方のコツとしては、「羽根を追いかけながら入る」です。

はい。以上で、トスの基本動作についてのお話は終わりです。
次に、トスにおける練習時のポイントについて、いくつか紹介します。
練習を行うときのポイント
基本的なフォームの確認や、羽根の飛ぶ距離感の確認を行う方法は、パスの基礎で説明を行いました。
同じ図ですがここでも貼っておきます。

基礎練習としては、上図の内容を「トスの基本動作(このページ)」項目で説明した内容を意識しながら行えばよいと思います。
練習のポイントとしては、トスに特化した練習を行う時間があるとき、カット役の人から「良くないカット」を想定した羽根出しを行ってもらってください。
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短いカット
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低いカット
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ネットギリギリのカット
などなど。どの場面においても
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きちんと落下地点に入る
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トスの方向もきちんと向く(胸or背中)
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膝を沈ませてオーバーハンドでとらえる
という事を意識して練習します。
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