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4.アタックの基礎
アタックは、インディアカにおいて「もっとも得点することが出来る動作」であると同時に、「最も失点するリスクがある動作」でもあります。
このページでは、アタックの基礎として
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安易な失点をしないため(アタックミスをしないため)の動作
をメインにお話をします。
ブロッカーやレシーバーとの駆引きなど、一歩進んだ内容については、基礎編では記述しません
目次
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説明の前に
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アタックの基本動作
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アタッカーの心構え
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練習を行うときのポイント
説明の前に
<用語について>
説明する上で、このページで使っていく言葉を先に書いておきます
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打ち手
アタックを打つ手を指します
<図などの説明>
図などを使って説明をする場合、原則として右利きの場合として書きます。
サウスポーの方はそのつもりで見ていただきますようお願いします。
アタックの基本動作
アタックの基本的な動作とポイントを説明します。
動作としては大きく分けて6つあります。
① 助走を取れる距離を確保する
② トスの落下地点を予測する
③ 助走を開始する
④ 跳ぶ
⑤ 羽根を打つ
⑥ カバー準備
この6つの動作について、それぞれ解説します。
① 助走を取れる距離を確保する
アタックの動作はまずここから始まります。
サーブカット(もしくはレシーブ)が上がり、セッターがトス動作を行うまでの間、
基本的にはアタックラインよりも後ろの位置まで下がります。

図では、きちんとセッターにサーブカットが入った場合を書いていますが、
サーブカットが短かった場合(セッターの位置がネットから離れた場合)は、
同じ分だけアタッカーも下がった方がよいです。
また、この「助走の距離の確保」は、
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サーブカットから始まる攻撃
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ラリーが続いている場合の攻撃
どちらに関しても同じと考えてください。
アタックレシーブをしたときなどのラリーが続いた場合は、特に意識をして後ろに下がる癖をつけます。
距離を確保することによって、
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充分な助走を行うことができ、きちんと跳躍できる
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トスが離れたときなどにも羽根を前でとらえることができる
という効果が生まれます。
② トスの落下地点を予測する
アタックの基本動作における重要項目です。
セッターが上げたトスが
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高いトスなのか
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低いトスなのか
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長いトスなのか
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短いトスなのか
セッターの手から羽根が離れた瞬間に、ある程度の落下地点を予測します。
基本動作①で、助走をとるための距離が充分確保されている状態であれば、
次の基本動作「③助走を開始する」で、アタック動作を行うために跳ぶポイントを調節することが出来ます。
この動作を怠ると、なんとなくアタック動作に入って、
-
トスが離れたのでカブってしまい、アタックを打ち切れなかった
-
思ったより低いトスが来て、ネットにかけてしまった
などが起こり、ミスで簡単に失点してしまいます。
③ 助走を開始する
トスの落下地点を予測したら、助走を開始します。
助走の基本的な動きとしては、右利きの場合、
-
足:1歩目で左足を踏み出して位置を調整
手:軽く前に出す -
足:2歩目で右足を勢いよく踏み出す
手:勢いよく後ろに振りながら -
足:3歩目で左足でブレーキをかけるイメージ
手:後ろに振った腕を戻し始める
となります。

まず、1歩目の動作について。
この1歩目の左足は、トスの「ネットからの離れ具合」「長さ」によって
-
どこに踏み出すか
-
どれくらい踏み出すか
を決めて、2歩目以降の動作の位置調整を行います。
続いて2歩目ですが、やや大股に右足を勢いよく出し、沈み込みます。
1歩目と2歩目の足の向きを同じにするようにして、腕を後ろに振りながらスバッと踏み出すイメージを持ってください。
最後の3歩目。
1歩目~2歩目よりも、2歩目~3歩目の間隔は短いです。
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トン トン トン
ではなく、
-
トン ト トン
のリズムで足を運びます。
3歩目では、足の方向を若干内股気味に踏み込み、かかとを前に出すようにします。
内股気味でかかとを前に出すことで、からだの勢いにブレーキをかけるイメージを持ちます。
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2歩目で身体全体は前方向に力がかかって沈んでいる
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3歩目でブレーキをかける
この時に、上に跳ぶための力を溜め込んだ状態が出来上がります
この状態から、(左足がメインになりますが)両足で上方向に跳びだします。
※ちなみにバックアタックの場合は、3歩目を2歩目同様の方向で踏み込みます。
⇒内股気味ではなくまっすぐ踏んでブレーキをかけない事で、前に跳躍する

④ 跳ぶ
助走の3歩目で、両腕を上に振りながら跳びあがります。
跳ぶ時のアタック姿勢の基本形(基本フォーム)のポイントは、
-
猫背にならないで背筋を伸ばし、胸を張る
-
打ち手のヒジの位置を上に保つように意識する
-
アゴを引いて、羽根を見るときは上目づかい
です。

=余談ですが======
バレーボールのフォームに似ていますが、微妙に違います。
バレーボールのフォームでは、
-
もっと身体をそって
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打ち手も後ろに引いて
身体全体の力をボールに伝えるための動作を行うと思います。
インディアカの羽根はバレーボールに比べて非常に軽いです。
バレーボールの様な打ち方をすると、軽い羽根はコントロールが難しくなります。
============
⑤ 羽根を打つ
羽根を打つ動作について解説します。
アタックの基礎としては、まずはコントロールを重視したうち方について書きます。
アタックを「打つ」際のポイントとなるのは、
-
羽根をとらえる場所
-
羽根を当てる手の場所
-
手首の動き
です。
1.羽根をとらえる場所
まず、羽根をとらえる場所について。
パスの基礎やトスの基礎と同様、基本的には
「常に同じポイントで羽根をとらえる様にする」
事が大切です。具体的な場所としては、
打ち手をまっすぐ上げたところ、真上よりやや前
です。

この位置を「ミートポイント」と呼ぶことにします。
※あとの説明でこの言葉を使います
まずは、このミートポイントで常に羽根をとらえられるよう、
「羽根の落下点の予測精度を上げる」
「助走での位置調整」
の練習が必要となります。
2.羽根を当てる手の場所
次のポイントとして「羽根を当てる手の場所」です。
コントロールを重視したアタックを打つ場合、パスの基礎などと同様に、
「手の指の付け根あたり」が良いです。

基本的には上記の赤枠で囲った部分で、羽根を打つというよりはミートさせるイメージでアタック動作を行います。
※威力・スピード型と記載している指でのアタックについては、
-
当てる指の形でブロックを外す
-
黒いゴム部分を叩いてスピードを上げる
-
引っ掛けて角度をつける
などなど、他にも面白いことがたくさん出来ますが、
今後、応用編やマニアック編で記載していきたいと思います。
3.手首の動き
アタックを打つ動作での重要ポイントです。
羽根をとらえる場所(打ち手の真上やや前)で、
羽根を打つ手の場所(指の付け根辺り)を決めたら
そして、羽根を打つタイミングで、手首(スナップ)きかせます。
手首を使うからといって、手をコネるのではありません。
イメージとしては(実際やってみて欲しいです)
※図にするのが難しかったので言葉になってしまいますが
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ヒジから先と手首は楽にしておきます
-
ヒジをまっすぐ上げます(ヒジが曲がった状態)
-
手首は楽にしたまま、ヒジを支点にしてヒジから先を伸ばします
そうすると、手が伸びた瞬間、手首がシュってなります。
何回かやってみてください。
この、手首がシュッとなる場所を、羽根のとらえる位置(真上やや前)に設定します。
イメージがつかめたら、羽根を打つ(シュッとなる)瞬間だけ手首に力を入れます。
大切なのは、羽根を打つタイミングまでは手はリラックス状態であることです。
インディアカの羽根は軽いので、力をこめて思いっきり腕を振るよりも、
リラックスして手首を返すスピードを上げたほうが
「コントロール」「羽根のスピード」が上がります。
手首を使う事をマスターしたら、ヒジから先の動き、手首の動き、その後のフォロースルーだけでコースを打ち分けることが可能になります。
動作を行う上での注意点
アタック動作時に、
-
力を込めているつもりなのに威力が出ない
-
ちゃんと跳んでいるのに打点が低くなってしまう
などで、ブロックにかかってしまったり、簡単に拾われてしまったり。
この様な時は、自分のヒジの位置(ヒジの動き)に注意してみてください。
自分が思っているようなアタックが打てていない時は、アタックスイングの時に
-
ヒジが前に出てしまっている
-
ヒジが下がってしまっている
という可能性が高いです。
特に、気持ちが先行していたり、力んでしまっている場合などに起こることが多く、
「思うように打てない」⇒「拾われる(止められる)」⇒「さらに力んでしまう」
といった悪循環に陥って、気持ち的にも余裕がなくなってしまいます。
ヒジが前に出てしまったり下がってしまうと、ヒジが曲がった状態で羽根をとらえることになります。
そうなると、羽根への力が分散してしまうため、どれだけ腕を振っても、力が抜けたアタックになってしまいます。

⑥ カバー準備
アタッカーは、アタックを打ったら動作が終わりではありません。
相手プレーヤーも、毎回好き勝手に打たせてくれるわけではないです。
アタックを打った際は、自分の目の前の範囲は自分でブロックカバーしましょう。
トスの基礎でも触れましたが、
-
セッターがブロックカバーできる範囲
-
後ろのレシーバーがカバーできる範囲
-
アタッカー自身でカバーできる範囲
が、それぞれあります。
アタッカーの気持ちとしては「決めてやるわい!」と言うのは大切ですが、
ブロックにかかることもあるというのは頭に入れて、無駄な失点を出来るだけなくしていきます。

アタッカーの心構え
スポーツにおいてチームの顔となる事が多いのが、「エース」と呼ばれる人たちです。
インディアカにおける「エース」は、アタッカーを指すことが一般的だと思います。
ここでは、インディアカで注目されることが多くなる、アタッカーとしての心構えについてふれていきたいと思います。
良いアタッカーとは
まずは「良いアタッカーとはどのようなプレーヤーか」を考えていきます。
ものすごい威力のアタックをエゲツナイ角度で決める。
これだけでは良いアタッカーとは言えません。
良いトスを上げて入れいればバシバシ決めてくれる。
もちろん、これも良いアタッカーとは言い切れません。
上記の2つなど、ただのプラスアルファとしての要素に過ぎません。
良いアタッカーとは、得点を取れるアタッカー。
失点をしない(ミスをしない)アタッカーです。
具体的に言うと、
-
良いトスが上がったときはバシバシ決めてチームを盛り上げてくれる
-
トスが乱れてもコントロールして得点につなげる安心感がある
-
大事な局面でもこの人にあげれば大丈夫という信頼感がある
このようなアタッカーですね。
トスミスをしても決めてくれる
↓
セッターが安心してトスを上げられる
↓
結果、トスが安定する
↓
アタッカーがバシバシ盛り上げてくれる
この流れを作り出すことが出来るのが、良いアタッカー(エース)の必須条件です。
アタッカーもチームの一員である
アタックで得点をする場合、アタッカーの役割は
-
チームとしての攻撃の最後(仕上げ)の役割を担当している
に過ぎません。
レシーバーがカット(レシーブ)をして、
セッターがつなげて(トスをして)、
はじめてアタッカーがアタック動作を行うことができます。
アタックを行って得点を決めた場合、得点者はアタッカー1人ではなく、
そこに至る全てのプレーヤーによるものと考えます。
アタッカーは、「自分が決めてやった!」ではなく、「皆に決めさせてもらった」と思うくらいが良いでしょう。
特に、ラリーが続いた場合などは、相手の攻撃を味方レシーバーが拾ってくれて、セッターがつないだトスを打つことになります。
チームメイトが懸命につないだ羽根です。アタッカーは、その思いに答えないといけません。
ここで簡単にミスしてしまったら、チームメイトのモチベーションに関わります!
目的は、得点すること
インディアカの試合において、目的となるのは「得点をすること」です。
得点の取り合いをして、より早く規定のポイントを取ったチームが勝ちます。
当たり前のことを言っていますね。
しかし、アタッカーの心構えとして、これはとても大切な部分です。
アタックが決まるようになると、当然気持ちよいし、楽しいですよね。
そうなると、アタッカーは「得点」よりも「気持ちよさ・楽しさ」といった、自分の満足感を求めてしまいがちです。
自己満足に走るようなプレーヤーは、チームとして目指す方向とは違ったプレーに走ってしまいます。
こうなってしまうと、チームスポーツとしてのインディアカは機能しません。
自分だけ気持ちよければ、楽しければいいと思ってしまう前に、チームとしての目的である「得点をすること」を常に考えるようにする事が大切です。
それでも自己満足を追い求めるようなら、インディアカをやめて個人競技でも始めたほうが良いでしょう。
練習を行うときのポイント
アタック練習を行う場合、多くのチームはとりあえずトスを上げてもらってひたすらアタックを繰り返すような練習を行っていると思います。
ある程度アタックを打てている人については、それほど問題になりませんが、
「自分が好きなトス、良いトスなら打てる」という人に関しては、ただひたすらアタックを打っていても練習の効率が良くありません。
そういう場合の基礎練習として、以下の3段階で、アタックの基本動作を身体に覚えさせます。
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跳ばずに羽根を打つミート練習
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跳んだ状態でミートポイントでキャッチする練習
-
実際にアタック動作を行う練習
1.ミート練習
ミート練習は、特別な練習方法というわけではなく、
普段のパス練習で意識して行う動作になります。

上記はパスの基礎で紹介した例ですが、ここでの
-
図の左上 :2人組(カット想定)練習の②の人
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図の下2つ:3人組練習の③の人
が、カットを行う①の人に対して羽根を打つときに、きちんと動いてミートポイントでとらえるようにします。

まずはパス練習の時から常に意識するようにして、ミートポイントでとらえることを身体に覚えさせます。
ちなみに、この練習は一人でもできます。
時間を見つけて、自分で羽根を上げて壁に向かってミート練習しましょう。
2.キャッチ練習
2段階目のキャッチ練習です。
方法としては、通常のアタック練習と動きは似ていますが、実際には羽根を打たずにミートポイントでキャッチするというものです。

これは、実際に羽根を打つアタック練習とは違って、きちんとミートポイントで羽根をとらえるために
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羽根の落下地点の予測
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助走での歩幅(1歩目)の調整
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跳んでから羽根をミートポイントで受ける
と言う事を意識して行う練習です。
これを行うことで、実際に助走、跳躍してから羽根をどこでとらえているかが明確にわかります。
トスが変わったときに、きちんと同じミートポイントで受けることが出来ていない場合は、落下地点の予測と助走での調整をきちんと行えるようにします。
練習を行うタイミングとしては、パス練習の後、アタック練習の前がいいでしょう。
慣れてきたら、トスを上げる人が割れたトスや近いトスなど、あえてトスを散らすようにしていきます。
3.アタック練習
ミート練習で羽根を打つ感覚を身に付けて、キャッチ練習でミートポイントで羽根をとらえられるようになったら、実際にアタックを打ちます。
基本的な動きはキャッチ練習のイメージで助走~跳躍を行い、羽根を打つところでミート練習の感覚で羽根を打っていきます。
実際のところ、キャッチ練習さえきちんと行っていれば、うまく打てないなんて事はなくなります。
アタック練習では、
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クロス方向、ストレート方向に打ち分ける練習
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レフトからだけでなく、ライトやセンターからの練習
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離れたトスを打つ練習
くらいは、少なくとも行いましょう。
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