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6.レシーブの基礎
レシーブはインディアカのディフェンスにおいて重要な役割をはたします。
特に、相手チームのブロックカバーが良い場合などは、ブロックよりも得点源としての重要度が増します。
優秀なレシーバーの存在だけで、チームの得点力が上がるだけでなく、相手アタッカーにプレッシャーを与えることができます。その結果、
-
純粋に相手アタッカーのミスを誘発することが出来る
-
レシーブを避けたことによってブロックの決定率が上がる
-
チームの士気が上がり、全体としての集中力も増す
といった効果も与えることが出来ます。
ここではレシーブの基礎として、基本的な動作の方法や、レシーブ率を上げるための考え方について記載していきます。
目次
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説明の前に
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良いレシーバーとは
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レシーブの基本動作
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コミュニケーションの重要性
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限界を決めない
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練習を行うときのポイント
説明の前に
<レシーブ説明について>
説明では、原則として相手のレフトからのアタックに対する記述を行います。
ライトからの攻撃については、左右対称として同様に考えてください。
<レシーバーの人数について>
基本的には2人でのレシーブに関しての記載になります。
良いレシーバーとは
まずは「良いレシーバーとはどのようなプレーヤーか」を考えていきます。
ものすごい威力のアタックを綺麗にレシーブする。
これだけでは良いレシーバーとは言えません。
良いアタッカーの条件で書いた内容に似ていますが、これはただのプラスアルファとしての要素に過ぎません。
良いレシーバーとは、チャンスを確実にモノに出来るレシーバー。
イージーな失点をしない(ミスをしない)レシーバーです。
トスが乱れたり離れたりした時のゆるいアタックを確実に拾う
↓
相手アタッカーはトスが乱れても強く打ち込むしかなくなる
↓
結果、ブロックが決まったり、相手のミスを誘発できる
↓
チーム全体が盛り上がる
この流れを作り出すことが出来るのが、良いレシーバーの条件です。
レシーブの基本動作
レシーブの基本的な動作とポイントを説明します。
動作としては大きく分けて5つあります。
① はじめの立ち位置を決める
② トスを見極めて移動する
③ レシーブの体勢を作る
④ レシーブ動作を行う
⑤ 拾ったことを伝える
この5つの動作について、それぞれ解説します。
① はじめの立ち位置を決める
レシーブの動作はまずここから始まります。
始めのポジショニングで重要なのは、後ろから前に動けるようにすることです。
つまり、味方のサーブが行われた時点では、コート後方に立ち位置を定めます。
コート後方から、相手のサーブレシーブ状況と相手アタッカーの準備状況などを把握します。
これは、単純に「後ろに移動する」よりも「前に移動する」方が素早く行えるので、
次の動作となる「相手のトスの状況」による移動をやりやすくするためです。

② トスを見極めて移動する
相手のトスが上がったら、レシーブ位置の移動を行います。
レシーブ位置の調整は、チームの戦術によるところが大きいですが、基本としては
-
相手にトスの長さと、羽根とネットとの距離
-
アタッカーの位置
を把握し、
-
ブロッカー(2枚)の間は、開けずに揃っている事を前提として
-
左側のレシーバーは左側のブロッカーの左手
-
右側のレシーバーは右側のブロッカーの右手
の外側から羽根をのぞき込める位置に移動します。

相手のトスが近くなった場合は、ブロックで消せる範囲が広くなりますので、クロス側(左側)のレシーバーは横から回り込んでポジショニングする必要があります。
-
ブロックの上を抜かれたりする場合もありますが、まずは基本的な考え方として記載しています。

③ レシーブの体勢を作る
レシーブの体勢は、大きく分けて2パターンあります。
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守備範囲を「広げる」場合の体勢
-
守備範囲を「絞る」場合の体勢
それぞれの体勢の特徴を書いていきます。
1.守備範囲を「広げる」体勢
守備範囲を広げる場合とは、
-
相手アタッカーが叩かずにコースを打ってくる時
-
相手のトスが離れていて、強く打ち打ち込めない時
などで、アタックされた羽根を追っていくレシーブスタイルです。
具体的なレシーブの体勢は、コート後方の立ち位置から
-
軽く腰を落とす
-
膝をやわらかく
-
かかとを上げる
-
やや前傾姿勢
この状態でアタックが打たれるのを待ちます。
足のスタンスは、速やかに1歩目が動き出せるよう片足を少し後ろにさげます。
どちらの足をさげるかは個人差ありますが、50メートル走の時などにクラウチングスタートをする時などにさげやすい方の足でいいと思います。
2.守備範囲を「絞る」体勢
守備範囲を絞る場合とは、
-
相手のトスが良い(アタッカーが強く打ち込める)
-
味方ブロックでコースが限定されている
-
アタックコースが読めている
などの条件が揃った状況で、アタックされた羽根を待ち伏せるレシーブスタイルです。
具体的なレシーブの体勢は、
-
腰を深く落とす
-
下半身を安定させる
-
やや内股気味でかかとを上げる
-
身体を起こして相手のアタックポイントを見上げる姿勢
この状態でアタックが打たれるのを待ちます。
このスタイルは、比較的早い(強い)アタックのコースを予測して、アタックの軌道上に入った状態で行います。
④ レシーブ動作を行う
立ち位置を決めてレシーブ体勢に入ったら、実際にレシーブ動作を行います。
レシーブ動作についても、
-
守備範囲を「広げた」体勢でのレシーブ動作
-
守備範囲を「絞った」体勢でのレシーブ動作
の2パターンで記載していきます。
レシーブ動作のポイントとなるのは
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レシーブ時の目線
-
羽根をとらえるまでの手の動き
-
羽根をとらえてからの手の動き
です。
1.守備範囲を「広げた」場合の動作
アタックされた羽根を追っていくレシーブスタイルでは、羽根の軌道を確認しながらレシーバー自身が動き、レシーブ動作を行っていきます。
<レシーブ時の目線>
このスタイルでは、羽根を見ながら移動してレシーブを行うことになります。
この、羽根を見る動作で大切なのは、
-
「羽根そのものを見る」のではない
-
「羽根の軌道を見る」
という事です。
※次の「羽根をとらえるまでの手の動き」と関連しますのでそこで一緒に説明します
<羽根をとらえるまでの手の動き>
レシーブする時、手の動かし方としては
-
羽根の軌道上に「手を置く」
と言う事が重要です。
相手からアタックが打たれた後、「羽根の軌道」を目でとらえて、その軌道上に「手を置く」イメージで手を動かしていきます。
羽根を拾いに行こうとすると、拾いに行く場所(点)でしかレシーブを行うことはできませんが、
軌道上に手を置くイメージを持つと、アタックの軌道(線)上のどこかでとらえればよいのでレシーブの確率が上がります。

<羽根をとらえてからの手の動き>
アタックの羽根の軌道上で羽根をとらえることが出来たら、手のひらをセッター方向に向けます。
※羽根をとらえるまでは、軌道上から手を動かさないように注意
その後、パスの基礎と同様、上げたい方向へのフォロースルーを行います。
手を振ってレシーブを行わなくても、羽根は軽いので、飛んできたアタックの跳ね返りで充分上がってくれます。
2.守備範囲を「絞った」場合の動作
強打されたアタックの羽根を待ち伏せるレシーブスタイルでは、羽根の軌道を確認する時間が短い(一瞬に近い)ため、目線と、羽根をとらえてからの手の動きが変わってきます。
<レシーブ時の目線>
このスタイルで対応するアタックのスピードは速いため、羽根の軌道を目で追うことも難しくなってきます。
そこで、守備範囲を絞った体勢を作った場合は、目線を動かさないようにします。
レシーブ動作を行う前の「レシーブの体制を作る」の部分で、アタックポイントを下から見上げるような体勢を作った状態で、
目線はアタックを打たれてからもそのままアタックポイントを見続けます。
このスタイルでは、ある程度アタックのコースを読んだ状態で、あらかじめ予想される羽根の軌道上でのレシーブ位置をとっているので、
アタックポイントを見続けていても、間接視野(視界の端)で、ある程度は羽根の軌道を把握する事は出来ます。
<羽根をとらえるまでの手の動き>
守備範囲を広げた場合と同様、羽根の軌道上に「手を置く」ようにします。
ただし、このスタイルでは羽根の軌道を追いながら予測する時間は無いので、
-
事前のアタックコースの予想
で、ある程度「手を置く」位置を決めておき、
-
間接視野から得られる羽根の軌道
から、「手を置く」位置を調整します

<羽根をとらえてからの手の動き>
このスタイルでは、アタックスピードが速いため羽根をとらえてからの行動を起こすことが難しいです。
ただし、アタックスピードが速い=手に当たれば充分にレシーブが上がるため、
あらかじめ手のひらをセッター方向に向けておき、アタックを待ち伏せます。
その際に注意が必要なのは、跳ね返りが強いため相手コートに入ってしまう可能性があるので、手のひらは気持ち上を向けておくという事です。
⑤ 拾ったことを伝える
意外と重要な項目です。
せっかくレシーブを拾っても、味方が認識して攻撃を開始しないと得点することはできません。
もしかしたら、ブロッカーは止めることに集中しすぎて振り返ってくれないという可能性もゼロではありません。
拾った際には、そのことを大きな声で味方に伝えるようにしましょう。
言葉に関してはチーム内で認識できれば何でもいいと思います。
-
とった!
-
あがった!
-
あがりっ!
-
はいっ!
-
ほいっ!
よく聞くところで言うとこんな感じでしょうか。
とにかく、その後のつなぎをしてもらえるよう、伝えましょう。
もちろん、もう片方のレシーバーが拾ってくれたときには、全力でつなぎにまわってアタッカーに攻撃してもらえるようにするのも忘れずに。
コミュニケーションの重要性
ブロックの応用での「止めるだけがブロックではない」の項目でも触れていますが、
ブロッカーとレシーバは連動して動き、チーム全体として得点する意識が大切です。
その中で、
-
ブロッカーはここを止める
-
レシーバーはここを拾う
といった、役割分担を行うためのコミュニケーションが必要です。
男女混合のチームでは、多くの場合が役割分担を行う際、チーム内での指示は
-
ブロッカーからレシーバーへ
行われているようです。
これは、男女混合の場合、キャプテンになる人が男子であることが多く、自然と指示する側にまわるためだと思います。
※男女混合だと男子がブロック、女子がレシーブの役割が多い
これ、ポジション的な観点からすると、全く逆ですので注意が必要です。
-
ブロッカーは相手側しか見えない
-
レシーバーはブロッカーも相手も見ることが出来る
ということから、レシーバーがブロッカーに対して指示(コーチング)をした方が良いということです。
具体的な話をすると、相手の攻撃が終わったらその都度
-
アタックはどこを通ってきたを伝える
間を抜かれているのか
上を抜かれているのか
横を抜かれているのか
など -
ブロック状態はどうだったかを伝える
間をきちんと閉めてくれ
上から打たれるコースを消してくれ
もう少しクロスを消してくれ
下を消してくれれば上は広い範囲レシーブします
いまのはレシーバーの範囲でしたナイスブロック!
など
なお、ブロッカーにもその時その時の考えや思惑があると思うので
(例えば今のは状況的にブロック勝負に行ったから間が開いちゃった、など)
毎回、ひとコトふたコトでも良いので言葉を交わすようにしましょう。
限界を決めない
レシーバーの心構えとして大切な要素を書きます。
それは、限界を決めない事。
ある程度の経験値があって、予測してレシーブを行う場合は少し違いますが、
相手アタッカーが力を抑えてコースを狙って打った場合などは特に、届かないと思っても行ってください。
レシーブが届く、届かないなどは、勝手に自分で線引きした範囲に過ぎません。
その線引きは、勝手に自分の限界値を設定してしまっているに過ぎません。
とりあえず行ってみましょう。
意外と届きますので。
届かなくても、遅れても良いので行きましょう。
自分が取れない範囲だと思っていたところも、そのうち取れます。
続けていると、今まで実際に届かなかった範囲も、いつの間にか取れてます。
こういうの、なんて言うか知ってますか?
レベルアップっていいますw
練習のポイント
レシーブ練習をする際によく見るのは、
-
レシーバーが並んで
-
ネット越しで打ってもらって
-
拾ったら次の人が入ってレシーブ
-
レシーブした人は羽根拾い or また列に並ぶ
のような感じが多いと思っています。
もしくは、アタック練習のネットの向かい側でレシーバーが入って拾う。のような。
ある程度経験があって拾える人は良いかもしれませんが、これにはデメリットが結構あります。
まず、レシーバーが並んで拾ってぐるぐる回るパターンは、次に自分のターンが回ってくるまでに、感覚を忘れてしまいます。
出来れば連続でレシーブして、良いレシーブフォームと感覚をつかみたい。
アタック練習の向かい側などは、同じコースに打たれるわけではないのでフォームの確認が出来ない。
(コースを読むための練習にはなるのでやったほうが良いとは思います)
出来れば同じようなコースを強く打ってもらった方が良い
そこで、レシーブ練習としては、同じコースに強いアタックを何本も連続して打ってもらって感覚をつかむ方法をとります。
アタック役とレシーブ役以外は手が開いてしまうので、つなぎの反応を良くする練習と羽根拾いを担当します。

このフォーム練習を行った上で、アタック練習で拾ってみたり、いろいろなところに落としてもらって(フェイント対応など)反応できるようにしてみたりを行うと良いと思います。
まずは、自分のレシーブのカタチを習得できるようにしましょう。
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